

親父が最近めっきり弱ってきた。
躓く障害物がないのに、躓いてしまう親父。

昔、近所の魚屋で80過ぎくらいのおばあちゃんが
足を引き擦りながらバイトしてた。
どんな事情があるのか知らないが、
必死に働いているその姿はどことなく物悲しい。

自分の息子くらいの部下に対して、ちょっとびびりながら敬語を使う、おっさん。
あまりにいい人過ぎて、どことなく物悲しい。
日本はこれからどうなるんだ。

童貞が自らの童貞がバレそうになって、必死に弁解している姿。
たぶん、自らの童貞を人に知られるのが死ぬほど恥ずかしいのだろう。
カミングアウトしちゃえば、楽になるのに。
悲しいね。

外出先で突然激しい腹痛に襲われ、
「これはやばい。」と近くのトイレに駆け込むが、
思いのほか、何も出ない。
いったいあの痛みは何だったのか?
得体の知れない不安。物悲しい。

一人暮らしの部屋ではなく、実家のブレーカーが落ちたとき。

昔は親父は家族一の物知り博士だった。
「お父さんすごい。」と本気で思ってた。
でも、大人になって思うこと。
親父が教わったこと、すべて嘘だった。
知ったかぶりだった。

妹に先に結婚された姉の顔は、
貴乃花に敗れ、引退を決意したときの千代の富士の顔に似ている。

娘が結婚する。
どこの馬の骨かもわからない男に取られていく。
それなのに、娘の幸せのために結婚式の準備に精力的に動く父親の姿は
涙を誘う。

親父が泥酔してう○こを漏らした日は
親父が父親としての威厳を失った日。
家族みんなで「お父さん臭い」のブーイング。
でも、なぜか親父はヘラヘラ笑ってた。
父親が父親としての威厳を失った日。それはどことなく物悲しい。