サンタ
虎男(31歳)
あれは確か、小学1年のときのことだった。 当時は僕はまだサンタクロースの存在を信じていたので、 イブが楽しみで楽しみで仕方なかった。 でも、そんな幼い僕の夢をサンタは無残にもズタズタに切り裂いてしまったんだ。 熟睡していた僕の腕をちょっとほろ酔い気味のサンタが思いっきり踏んづけやがったからだ。 驚いて飛び起きた僕が、そのサンタが実は親父だったと気づくのに時間はかからなかった。 サンタはひどくうろたえていた。 その瞬間から、僕の中で「サンタ=親父=ドジ」というイメージが定着した。
あげまん(24歳)
わたしの通っていた幼稚園では、 毎年クリスマスになるとクリスマス・パーティを開くのが恒例となっていました。 歌やダンス、おいしいケーキやお菓子… そして、最後にサンタクロースがやってきて、園児ひとりひとりにプレゼントをくれるんです。 わたしもそのサンタクロースから可愛いお人形をもらい、大喜びで家に帰り、 母親に「サンタさんが来たんだよ。」という話をしました。 すると、母親は何を血迷ったのか衝撃的な言葉を言い放ったのです。
「あ、そのサンタ、園長先生よ。」
サンタ
ゴン太(29歳)
クリスマスとは全然関係ない、日のことです。 3歳児だった僕は母親に抱かれながら、 「浦島太郎」の絵本を読んでもらっていました。 母親に読んでもらう絵本は格別なもの。 幼児の想像力の形成には欠かせないもののひとつです。 そんな折、母親はとんでもないことを言い出したのです。
「サンタクロースも浦島太郎と同じで架空の人物なのよ。」 クリスマスでもない日になぜ、わざわざ子供の夢をぶち壊すようなことを母親が言い出したのか 今でも理解に苦しみます。
まなみ(17歳)
わたしの場合はサンタを信じなくなったというより、 いなくなっちゃったんです。 わたしの家は元々はそれなりに裕福な家庭で、 クリスマスになると毎年のように壮大なパーティをしていました。 サンタもなぜかわたしの家にだけたくさん来るんです。 多いときで70人くらいのサンタからプレゼントをもらいました。 でも、小学1年生のクリスマスを境に全くサンタが来なくなりました。 父親がやっていた不動産会社がバブル崩壊の煽りを受けて倒産したからです。 わたしは今でもサンタが帰ってくるのを待ち続けています。
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