
スイカが嫌いな人は同時にメロンも嫌いだと言わ
れている。スイカは嫌いだけど、メロンは好きとか
メロンは嫌いだけれど、スイカは好きという人は
ほとんどないのだ。それは一体なぜなのか。まず
言えるのは、スイカもメロンも食べ物として定義が
非常に曖昧だという点が挙げられる。

スイカやメロンは通常、皮を剥かないで、そのまま
何等分かにカットして食べる。カットした状態を想
像していただけるとイメージしやすいと思うが、ス
イカやメロンはどこまでが実でどこからが皮なのか
が非常にわかりずらいのだ。スイカに関しては、は
っきりと色分けされており、一見境界線がわかりや
すいように思えるのだが、実際はたとえ赤い部分
でも、皮の近くに行けば行くほど味が変わってきて
ほとんど実というより皮の味がすることが多い。消
費者の側からすれば、スイカに騙されたようで、非
常に腹立たしい気持ちになる。
小学校4年の時だった。青臭い少年であったわた
しはある衝撃的な事実を知った。なんと、スイカと
メロンは果物ではなく、野菜だというのだ。今まで
スイカとメロンは果物だと信じて疑わなかったわた
しは自らのアイデンティティを根底から覆された気
がして、非常に困惑した。後のわたしがグレる直接
的なきっかけとなった出来事だった。
このようにスイカやメロンが嫌いな人はスイカやメ ロンが実は野菜だという事実を目の当たりにした 衝撃で精神のバランスを崩し、嫌いになった人が 非常に多い。

カブトムシはスイカやメロンを好むことで知られて
いる。これを読んでいる人たちの中にも、子供の
頃にカブトムシにスイカやメロンをあげた経験が
ある人も多いのではないだろうか。
実はスイカやメロンが嫌いな人の中にはこの時の
イメージが強く残っている人も多い。つまり、スイカ
やメロンはカブトムシの食べ物でスイカやメロンが
人間の食べ物だということがどうしてもイメージでき
ないのだ。